酒創りの想い

日本酒と吉野の自然に向き合ってきた蔵は
吉野の風土に寄り添い、感銘を与え、腑に落ちる酒を創る。
さらに、日本酒という概念を昇華させ、発酵の本質を熟考し、杜氏自らも新たな発見と出会いに身を震わせる。
この一期一会の感動を伝えるために、
「酒」「風土」「冒険」とテーマを掲げ、それぞれの個性を引き出していく。

日本酒は、身近な存在でありながら、世界に類を見ない並行複発酵という独自の発酵形態を持つ、日本の豊かな文化そのものである。米と水というシンプルな素材にこそ、人の思考と情熱が深く染み込み、その一滴には、自然の営みと人間の知恵が響き合い共に生きることの美しさが詰まっている。

だからこそ美吉野醸造では、全ての日本酒を地元の契約栽培米と蔵に息づく酵母菌による自然醸造を通じて「酸と旨みが響きあう酒造り」にたどり着き、今までの酒造りでは表現し得なかった、複雑な味わいと余韻が、酸味と美しく調和し、奈良吉野の風景を感じさせるような一杯を創り上げている。時を超えて広がる自然の美しさと、人間が育む文化の深みの妙を楽しんでいただきたい。

「酒」の商品一覧

風土

自然との向き合い方は人それぞれであり、日々の選択の中で見つける必然性が、吉野の地域でしぶとく生き抜きながら醸造を続けることを可能にする。「自然」と「濃度」という観点から、無理のない醸造が無理のない味わいを生み出し、価値観を押し付けない”美味しさ”を醸し出している。

だからこそ美吉野醸造では、全ての日本酒を地元の契約栽培米と蔵に息づく酵母菌による自然醸造を通じて「農と共に歩む酒造り」を進めている。紀伊半島の中山間地域では、梅や柿などの果樹栽培が主流で、米作りが容易ではないため、地元の生産者たちは複合的な農業体系の中で酒米を育てている。この地域で造られる日本酒は「濃くて美味しい」をテーマに米を無駄なく使い切る味わいを追求し、地域農業との共生を目指している。さらに、日本酒や梅酒の醸造過程で出来る副産物である「酒粕」や「梅実」も無駄にせず味わい尽くすことで、地域の「おいしい」を最大限に伝える酒造りを実現している。

「風土」の商品一覧

冒険

米と水。そのシンプルな素材から織りなされる発酵。その神秘性に魅せられ、終わる事のない旅の中で垣間見える必然の出来事。自然の摂理を理解したい。

日本酒は、風土に根付けば根付くほど、より唯一無二の味わいに近づく。それはまるで、その土地でしか感じることができない景色であり、空気であり、文化でもある。それは変えようのないものでもあり、常に変わっている、自然の法則のもとにつくられる「しかたない」。その自由な不自由に深く根付くことで理解の濃度が濃くなり、生き残る進化ができる。

一口飲めば、押し寄せる複雑な味わい、膨らむ創造心、今の自分と向き合える日本酒。だからこそ、同じは二度と訪れない、一期一会の味でもある。

味わいの変化は時として冒険のようであり、新たな世界への入り口でもある。

「冒険」の商品一覧